cosmos222012-06-19

ずいぶん前に岡本太郎著の『今日の芸術』という本を読みました。
最近、振り返って再度読んでみました。
この中で著者が言いたかったはなんだったのか考えてみようかと思います。

私がこの本の中で目にとまったところは「型」という言葉です。
人はどこかで「型」にはまってしまいそこから出られず悶々とした日々を過ごしている。
その中で閉じこもり毎日を過ごしてそれでいいのだろうか、もっと自分自身を外に出せればもっと自然に今と違う生き方を味わうことができるのかもしれない…と訴えているように私には聞こえました。

そして著者は絵を描くことを勧めています。
「決意をして、今すぐに鉛筆と紙を用意して何でもいいから描いてみよ」
「上手かったりまずかったり奇麗だったり汚かったりするということに対して、絶対に
自惚れたりまた恥じたりすることはない」」
「上手く見える絵は殆どが何かを模倣している場合が多い、絵は模倣であってはならない…」、と繰り返して伝えています。
芸術は「生き方そのもの」「自分自身の問題であり生活じたいである」とも言われています。

今日の芸術という本を初めて手に取ったのは平成二十年の十二月頃。
この本は自分の中で琴線に触れるものがあったのかもしれません。
今絵の教室へ通っていますが教室ですので全て自分の思うままには描けません。
先生からその都度絵の技術や色のコーディネイトなどを教えて頂きそれなりのものが完成されますがそこで描いているのは自分の本当の作品ではないのです。
ここの中では知らなかった知識を教わり自分のものに自然に入ってゆけるものにしているのかもしれません。

今この本を、四年前に読んだ時の印象とまた方向を少しづらして読み返しています。
本当に必要なのはありのまま、自分の素顔を出せる場所を創ってゆくことなのかも
しれないなどと考えます。

残念ながら私には著者のもっていた「自分の魂で直接に捉える自然な直観力」もなく、またこの本を全て理解し把握して最後まで読めていません。
まだまだ先は程遠く修行を重ねてゆくのだろうと思います。