読むことに挑戦を

cosmos222012-08-06

買い物途中にブックオフに寄りました。
斎藤孝さんの棚を覗いてみたら「ドストエフスキー人間力」という本が目に止まり最初の数ページだけ読んでみました。
文中に
〈私がドストエフスキーに引きずり込まれる一番の理由は、その作品に出てくる人々が
≪どうしようもない人々≫というところだ。…(省略)…たしか私の記憶では、安部公房が亡くなった後に発見された彼のフロッピーの中から、ドストエフスキーという作家のすごいところは、どんな人間でもこの世に存在していていいんだというところを教えてくれたところにある、といった趣旨の文章が見つかったということだった。まさに同感だ。こんなどうにもならない人たちでも世に存在していいのだとわかると、とても楽になる。〉

〈現在の日本では、人々は疲れているというよりは、むしろエネルギーが溜まってだるいのではないかと思うからだ。エネルギーを充填すること以上に、余っていて使いきれていないエネルギーを体中に抱え込んでいるためにどこかアンバランスな感じを持ちイライラしている。その状態を脱するには、まずは癒しよりもエネルギーの噴出が先ではないかと思える。思いっきりエネルギーを噴出させれば、すっきりして眠ることができる。そうすればエネルギーは自ずと充填される。エネルギーを出し切らなければ、縮小再生産になり、どんどん弱くなってしまう。〉と、ありました。

この内容を読んでしまったら、この本を買わずにはいられなくなり買ってしまいました。
おそらくこの本を読んでしまったら私もドストエフスキーの小説に興味を持つでしょう。
「どうしようもない人々」が出てくる物語とはいったいどういうものなのだろう…、エネルギーを出し切っていないと人間は委縮して本来の自分から遠のいてしまうのか…とか
物語を通してどこかで自分にあてはめたり、他の人にあてはめて考えたりします。
ちょうどドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を読むことに挑戦をしてみようと考えていたのですが、この本はとにかく厚い本ということだけで気が遠くなることと、私はもともと海外小説にたいして少々抵抗があるのです。
なぜか日本人の作家と比べてしまうと文章が難しく感じてしまうのです。
その国独特の支持している宗教や文化の違い言葉の違いなどから日本人の私には物語に距離を感じたり入ってゆけないところがあるようにも思いました。
まずこの斎藤孝さんの本を読んでから斎藤さんの解りやすい言葉を通してドストエフスキーとはどういう人なのか知りたいと思いました。