何気ない会話

cosmos222013-11-26

よく挨拶をするお爺さんが話しかけてきた。

「今、そこのスーパーマーケットへ行って天ぷら買ってきたんだよ。
あと、このコーヒー安いんだよ。前にネスカフェエクセラを買ったけどコレの二倍したよ。俺は味なんてなんでもいいから安いので構わないんだ(笑)、あと煙草だろ、一日ふた箱は吸うし、金がなくなるのは早いよ…」。

何気ない会話だった。
私は心の中で、「ふーん…。私はインスタントはネスカフェエクセラと決めている。でも今は余所でもらった他のインスタントコーヒーを飲んでいるけれど、早くあの味にもどしたいなぁ…。」そう思いながらお爺さんのスーパーの袋の中身をぼんやりみていた。

お爺さんはスーパーの話が終わると近くの自動販売機で缶コーヒーを一つ買いベンチに腰掛けて飲み始める…。そして自分の身体の病気の事や昔は家族がいたことを話し出した。

私は「長い話になるかもな…」と思いながらも「まぁ仕方がない…」と思いながら耳を
傾けることにした。

お爺さんは、若いころ自分の好きなことをやってばかりいたので家族と別れてしまったのだという。

「別れた時、まだ子供たちは小学生だった。それからひとりでアパート暮らしをしたが病気になって入院した。仕事ができなくなってしまったんだ…(省略)…。
今は子供たちは片づいて家庭を持っているよ。子供たちは結婚式を挙げるとき出席してほしいと言ってくれたんだ。
そして孫が生まれた。生まれて少ししてからお金を贈ったんだ。頑張って貯めた。
本当は孫にひな人形でも買ってやろうかと思っていたんだけどね、子供は現金のほうがいいっていうんだ(笑)。しっかりしてるよな(笑)。」
そんな話をしてお爺さんは腰を上げた。

私は「どこかに家族がいる、というだけでも幸せですよ…。それから五百円貯金でもしてみたらいかがですか。意外と貯まりますよ。いつかお孫さんに会ったときに渡してあげれるようにね…。」と言って席を立った。